2016年10月22日土曜日

日常小ネタ:過ぎたるも、及ばざるもNG?調味料の罠

 食材に味をつけたり、足りない味を補ったりする「調味料」。
卓上塩や醤油差しなどを常備している世帯も多いと思います。


 しかしこの調味料、用法用量を誤ると「中毒」になる可能性があるのです。

理屈は単純。
物足りない>味を足す>美味しく感じる>刺激に慣れる>物足りなくなる>味を足す>。。。ループ
健康志向が強くなっている最近ではどこでも言われているので、改めて言うまでもないかもしれませんが。

じゃあ止めれば良いじゃん、と思いがちですが、そこが罠。

「味」という合法的な生物学的刺激も、麻薬ほどではないものの、確実に「快楽」として体に刻み込まれます。
もちろん長期間その状態を維持し続ければ麻薬と同様に「中毒様状態」となり、摂取を求めるようになってしまいます。
更に質が悪いのは、処罰を伴う法的な取締りによって供給源が(表向きは)ない薬物とは違い、どこにでもありふれている、という点です。
したがって中毒になっても摂取が続いてしまい、いずれは体を大きく壊す引き金となってしまうのです。

要注意なのは「子供」、特に幼児以下です。
子供は大人と同様あるいはそれ以上の感覚を持っていますが、「経験」が欠如しているため、外部刺激を以って経験値とし、味覚の基準を定着させていきます。
その年頃に大人と同様もしくはそれ以上の味を与え続けると、味覚刺激の基準が崩壊し、味の強いもの以外を受け付けなくなったり味覚刺激不足による問題行動に繋がったりという可能性がたかくなります。

一番良いのは、味を「濃く」するのではなく、五味(甘塩酸苦旨)+雑味(渋辛脂。。。)を組み合わせて、味を「深く」することです。
(「雑味」とは言うものの、「味覚としては雑の分類」なだけで、料理では味の要素となっているものも多いです)
1つの刺激だけでは容易に中毒になりがちですが、複数の味が混ざっていると脳に届く刺激も複雑になり、味への依存度合いも低くなります。

また乳幼児は、離乳食の時点では味を少しだけ加えたものを与え、成長するにつれて味の濃さを大人よりちょっと薄いくらいまで強めていくのが理想です。
子供は成長に合わせて酸味や苦味、渋味などの「経験味」に慣らしていくことも必要になりますので、あまり大人と同じ味付けにしないようにした方が良いでしょう。

ちなみに自身は、数年前に買った砂糖・塩(料理用)のパックが使い切れずに残ってますし、醤油や食酢、味噌もうっかり大量に買うと数ヶ月単位で残ってしまうような生活になっています。


 摂り過ぎがだめならいっそ断ってしまえば良いじゃん、と思いがちですが、それもNGです。

味覚による刺激は脳の働きを活性化させる役割も担っているため、もし味覚刺激を断ってしまうと脳の働きが鈍ってしまいます。
脳の働きが鈍る、ということは、脳の老化が早まって健忘が進行しやすくなる、ということにもつながります。
脳が衰えれば連動して肉体全ても衰えるので、結果として老衰が早まって(高齢化社会では)比較的若い年齢での突然死や病死に繋がる可能性も高くなる、ということになります。

「調味」ということでは、粒状ならひとつまみ以下、液状なら1、2滴で十分なので、味覚がボケないうちにうまく味を調えながら食事をするのが重要です。
もちろん、すでに味が濃いものについては味を加える必要はありません。
どうしても味の濃いものが良い、という人は、1つだけ味の濃いものを用意してそれ以外は比較的薄味のものにすれば、トータルの食事としては味覚が平準化してちょうど良くなります。