2016年2月14日日曜日

日常小ネタ:ダンボールリサイクル棚の盲点

 最近では宅配便が便利になったため、引越しシーズン以外にも梱包輸送用の「ダンボール箱」が廃棄物として出やすくなっています。
ケチケチ倹約家はこれを「ダンボール棚」に加工することもあるかと思いますが、加工の方法によってはいろいろと危険な状態になることもあります。

 まず、ダンボールを棚に加工する場合、「梱包時にテープ等で止める開口部の端を内側に折り込む」という手法を取るのがほとんどかと思います。
実はこの方法、重量物を入れない飾り棚にする分には問題ないのですが、書籍など重量がかさむものを多く入れたり、複数を縦に積み重ねて使用したりする場合にはかなり危険になります。

というのも、そのような使い方をすると「ダンボールの開口部がひしゃげて傾いてしまう」ためです。

 ダンボールは通常、平面のボール紙の間に波型のボール紙を挟んで接着することで、特定の方向にかかる荷重に耐えられるように作られています。
その方向は、縦積みできるよう「開口部と垂直」になっています。
その強度が高い方向と垂直、つまり開口部を横にする使い方をしてしまうと、荷重に耐えられずつぶれてしまう、ということになります。
もしこの使い方を長期間にわたって行うと、開口部が潰れていって前のめりになり、最悪はひしゃげて倒壊する、ということになります。

 では、もし段ボール箱でしっかりした棚を作るにはどうするか、ということですが。

最も簡単なのは、側面の一つを切り抜くやり方です。
荷重に耐えられる3面を残すことで、ある程度までなら縦積みにも耐えられるようになります。
もし書棚のように両側面の立板を補強したい場合は、四角く切り抜くのではなく「エ」の時に切れ目を入れ、残した辺の部分を折り返すと良いでしょう。

ただし棚を重ねて使用する場合、重量物を置き続けると中央部分がたわんで折り返し部分が垂れ下がってしまいます。
もしそういった使い方をしたい場合は、中央部分を数センチ残すよう「コ」の字型に切り抜いたあと、三角形になるよう折り返してテープなどでしっかり止めると良いでしょう。
さらに、天板になる部分の折り返しを逆にしてやれば、中央の空いた部分が上の棚のたわみをある程度吸収してくれるので棚が歪みにくくなります。

もう一つ、折り曲げるなどの加工が面倒な人は、箱を中央で切り分けて半分にするという方法もあります。
これならある程度丈夫な棚ができますが、余程大きな箱でないかぎりは文庫本程度のものしか入れられない可能性もあります。


 いずれにしても、市販されている「段ボール製書架」と違って強度に不安があるので、重量物を収納しての長期使用はおすすめしません。
また耐震補強もできないので、比較的地震の起こりやすい地方や大地震が予測されている地域では積み重ねての使用は避けたほうが良いかもしれません。

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