2022年1月28日金曜日

Windows小ネタ:Windows10で勝手にサインインされる現象が起きた時の対処法

Windows10のPCを使っているといろいろな問題や不具合に遭遇します。
その中でも不気味なのが「再起動・シャットダウンしたとき”別のユーザーがサインインしています”と出て、実際にサインイン済み状態になっている」という現象。
会社など不特定多数の人が使うPCならいざ知らず、自分しか使わないPCで遭遇すると「何か仕込まれたのか」「乗っ取られたのか!?」と驚くでしょう。

実際にはそういう乗っ取られ事案は少なく、単にWindows標準サポートの自動サインイン機能が悪さをしていた、ということがほとんどです。
あわててPCの初期化などをしてしまう前に、少しチェックしてみましょう。

(Case 1)システム更新時に使われる自動サインイン設定がオンのままになっている
普通にWindows10を起動してサインインすると別のアカウントもサインイン済みになるときは、Windows更新時に使われる自動サインイン設定がオンになっている可能性があります。

・どんな時に起こる?
インストール中に「再起動が必要です」と表示されるアプリを入れた、Windowsやアプリの更新中にトラブルが起きて更新がうまくいかなかった、など

・確認方法
1) 勝手にサインイン済みになってしまうアカウントにサインインする
2) 設定(歯車ボタン)の画面を開き、アカウント、サインイン オプション、の順でリンクを開く
3) 「プライバシー」の「更新または再起動の後にサインイン情報を使ってデバイスのセットアップを自動的に完了します。」の項目を表示する

・確認結果
設定が「オン」なら自動サインイン機能が有効になっています。(設定が「オフ」なら、機能は無効)

・設定の解除方法
スライダースイッチを押して「オフ」に切り替えるだけ。
あとはすべてのユーザーをサインアウトして、Windowsを再起動すれば、問題が解決しているか確認できます。

(Case 2)パスワード不要で自動サインインできる機能が有効になっている
Windows10を起動した直後に特定アカウントのデスクトップ画面が表示されるときは、古いWindowsOSでサポートしていた自動サインイン設定が有効になっている可能性があります。
最近のWindows10 PCはサポートしていないらしい、とのことですが、古いWindows10 PCだと設定できる可能性があります。

・どんな時に起こる?
(自称)PCに詳しい人が古いアカウント設定ツール(netplwiz)を使い誤った設定をした、など

・確認方法
1) Windowsキーを押してスタートパネルを開き、「netplwiz」と入力する
2) 「netplwiz コマンドの実行」アプリが表示されたら、選んで実行する
 *この操作ができない場合は、Windowsキー+Rキー、「netplwiz」と入力して実行ボタン(Enter)、でもできます。
 *もし「管理者アカウントが必要です」などと出て、自分ではサインインできないアカウントが表示されたときは、そのアカウントを使っている人に頼んでください。
3) 「ユーザー」タブ画面を表示して、「ユーザーがこのコンピューターを使うには、ユーザー名とパスワードの入力が必要」チェックボックスの状態を確認する

・確認結果
該当する項目があって、さらにチェックボックスがオフ状態の場合、自動サインイン機能が有効になっています。(項目がない、またはチェックボックスがオンなら、機能は無効)

・設定の解除方法
上記設定項目のチェックボックスをオン状態にして、OKボタンまたは適用ボタンを押します。
あとはすべてのユーザーをサインアウトして、Windowsを再起動すれば、問題が解決しているか確認できます。

(最後に)
上に書いた2つの自動サインイン機能をオフにしても現象が起こる場合は、実際に誰か・何かがサインイン操作をしている可能性があります。
上位のWindowsエディションでサポートしている「リモートデスクトップ」の悪用、スパイウェアやマルウェアなど、最悪のケースが考えられますので、専門家に見てもらったほうがよいかもしれません。

端末小ネタ:「Kindle FireHDにPlayストア追加」をおすすめしないいくつかの理由

Amazon社が自社ブランド販売しているタブレット端末「Kindle FireHD」。
Androidベースの独自OSを採用し、機能をAmazon社のサービス向けに絞ることで低い価格を実現しています。
Amazonでの買い物が多い人、Kindle電子書籍やAmazon Musicをよく使う人は重宝するかもしれません。

半面、Amazon社以外のサービスは天気や時計など最低限度のものしかなく、ほとんど活用できません。
GPSを使った位置情報など、あって当たり前と思いがちなサービスもいくつか省かれています。
アプリストアはというと、Google PlayストアではなくFireHD専用の「Amazonアプリストア」で、アプリの量も質もPlayストアには及びません。

この「安物買いの罠」に引っ掛かったユーザーは、Google PlayストアのアプリをFireHDにインストールして使おうとします。
FireOSはAndroidベースなので(ここでは案内しませんが)実際にやろうと思えば簡単にできますが、いろいろと問題が起こります。
ここでは、手順を解説しているサイトでは説明を省いている問題点を書いていきます。
もし、安いタブレット端末だからとFireHDを買うつもりの人、FireHDをAndroid化しようと思っている人はぜひご一読を。

・FireHDが乗っ取られるリスクの増加
通常、FireHDにGoogle Playストアアプリをインストールする場合、Web閲覧アプリ「Silkブラウザ」を使います。
当然セキュリティ上危険なので拒否されるのですが、あらかじめその設定をオフにしておけば簡単にインストールできるのです。
(これは本来、まだストアに公開する前のアプリの動作確認や自作アプリを使いたい開発者向けのもので、一般向けではありません)

しかしこの作業をした後、セキュリティ設定が低いままになってしまうことが多く、これがリスクのひとつとなるのです。
大きいリスクが「ウィルスソフトやスパイアプリが勝手にダウンロードされ、勝手にインストールされる可能性」です。
これはPC界隈ではよく話題になりますが、タブレット端末でももちろん起こります。
一度そういったアプリがインストールされてしまうと簡単には駆除できない、というのもPC界隈と同じです。

・FireHDの動作が重くなるリスクの増加
Google PlayストアをはじめとしたFireHDサポート外のアプリは、それを動かすために別のアプリが必要、ということもあります。
そういったアプリの中にはFireHDを使っている間はずっと裏で動き続けているものがあり、それがFireHDの動作をやや重くします。
さらにサポート外のアプリなので不具合が起きやすく、相性次第では端末が動かせなくなる最悪なケースも想定されます。

・複数のアプリストアに登録されたアプリのバッティング問題
Google Playストアなどを追加した場合、Amazonアプリストアに登録されたアプリとのバッティング問題が起こります。
簡単に言うと「Amazonアプリストアで追加したアプリが、追加ストアのアプリライブラリにも表示される」という状態です。
これだけだと無害ですが、各ストアアプリにある「アプリの自動更新機能」が動作すると問題が起こります。
アプリの中には「Amazonアプリストアのアプリのみ動作保証あり」というものが少なくありません。
こういったアプリが追加ストアの自動更新機能で更新されてしまうと、最悪アプリが起動しなくなることがあるのです。
アプリの自動更新はセキュリティ面でも推奨される機能なので、機能を止めると問題が起こりやすくなります。

(最後に)
Kindle FireHDはAmazon社のサービスを活用するためのタブレット端末であり、通常のAndroid端末と性格が異なります。
Amazonというブランドはほかの安物タブレットを扱うメーカーと比べれば信用できますが、安さの理由は必ずあります。
価格が安いからと飛びつくのではなく、いろいろと下調べをして納得できたなら買う、というのが賢明です。