2016年9月19日月曜日

日常小ネタ:ピンチ!冷蔵庫が冷えない?

 かつては文明の利器、3種の神器としてもてはやされた「冷蔵庫」。
今では一家に1台あるいは2台以上、と普遍的なものになりました。
しかしその悪い影響で、昔と比べると冷蔵庫をケアして大切にしようという意識が減ってきています。

冷蔵庫は、ちょっとでも注意を怠るとクーラー並みの電気食い家電に成り下がるだけでなく、最悪「電気は入るけど冷えない」という最悪の状況に陥ることもあります。

よく言われるのは、「冷蔵庫に物を詰めすぎる」というものですね。
物を詰めて冷気の通り道をなくすことで庫内が冷えにくくなる、という悪い使い方の典型です。
ただこれは比較的わかりやすいところのトラブルなので、見つけるのも解消するのも簡単です。

 これ以上に冷蔵庫の冷えにダメージを与えるのが、「ドアのパッキン部分の不具合」です。

冷蔵庫のドアパッキンとは、ドアの内側に取り付けられている蛇腹状になったゴムパーツです。
ドアを閉めたとき、このパーツが冷蔵庫本体と密着することで冷気と冷却用ガスの漏れ出しを防ぎます。
逆に言えば、この部分に不具合が発生すると冷気が抜けてしまい、結果として冷えが悪くなる、ということになります。

原因は色々ありますが、主に「パッキン部分の経年劣化」「パッキン部への太い異物付着」などが挙げられます。

パッキン部分の経年劣化は、冷蔵庫を長年使うことでパッキン部分が硬化して蛇腹がうまく動かなくなったり、裂け目ができたりしてしまった状態です。
こうなるとドアを閉めたときにパッキンと本体がうまく密着しなくなってしまい、さらに裂け目ができた場合はそこから冷気が抜けたり外気が入ったりしてしまいます。
こうなると、冷やすそばから冷気が抜けて温度が下がりにくくなるだけでなく、最悪冷却ガスが抜けて冷やすことそのものができなくなってしまいます。

こうなった冷蔵庫は、修理で直すこともできなくはないでしょうが、冷却用ガスが抜けてしまっている可能性も高いので買い替えを勧められることがほとんどです。

パッキン部への異物付着は、ドアの開け閉めの際に厚みのあるものをパッキン部分に挟んでしまった状態です。
そこから冷気や冷却用ガスが漏れ出し、冷蔵庫の冷えが悪くなるのです。
この症例は特に、左右開きドアではなく死角の多い引き出し型、それも死角になりがちな壁・家具の際や床面に近い部分で起きやすい傾向にあります。

こちらは経年劣化とは違い異物を取れば概ね元の状態に戻るため、早めに気づけば少ない影響で済みます。
しかし、長期間その状態を継続しているとパッキンゴムの特性上「くせ」がついてしまい、隙間ができたままの状態になってしまうことがあります。
こうなると、経年劣化と同様に冷気が漏れ続ける状態となってしまいます。

こんなときは、パッキンゴムの蛇腹のくぼんだところに爪楊枝や少し太めの針金などを溝の部分に噛ませて真っ直ぐにし、そのまま置いておくと正しい癖に戻ります。

「冷蔵庫を開けておけば寒くなるでしょ?」と勘違いする人も多いですが、冷却ガス方式の冷蔵庫はクーラーなどと違って冷却ガスの部分「だけ」が冷えているので、空気中に拡散すると熱も拡散して冷たくなくなりますし、そもそもガスがなくなれば冷やすことすらできなくなります。
普段から冷蔵庫がちゃんと冷やせるようになっているか確認することが大事です。

 冷蔵庫の冷えが悪いな、と思ったら、冷蔵庫の側面の温度を確認してみてください。

通常の冷蔵庫はここに放熱用のパイプが通っているので、ここが熱い=冷却中、ということになります。
通常、庫内温度が安定するとここからの放熱が少なくなりますが、延々冷却を続けているといつまで経っても熱いままになります。
もしここが熱いままとか、冷蔵庫のある部屋の温度が他の部屋より高いまま、という状況を確認したら、冷蔵庫の状態をパッキンを含めてすぐ確認したほうが良いでしょう。

また、ドアの部分に水漏れのような結露がある場合は、その部分から冷気が漏れている可能性が高いです。
そのあたりのパッキンに歪みや裂け目がないか、異物が挟まっていないか確認しましょう。

2016年9月17日土曜日

PCトラブル:難民続出?Windows10メジャー/マイナーアップデートの罠

 Microsoft最新のパソコン向けOS「Windows 10」。
デスクトップ、ラップトップ、タブレット型のすべてに「一応は」対応できるインターフェース設計により、さまざまな端末にあった操作でこのOSを動かせるようになりました。

Windows 8から引き継がれたオールドユーザーにとっつきにくい部分や、モバイル端末のようなオンライン推奨システム(ストアやヘルプなど)もあり、ちょっとどうだろう、という意見もあります。
不満点が1つ2つだけでもマイナスゲージを振り切るような排他主義の日本人はさておいて、賛否両論あって色々おもしろいことになっているようです。(前のOSに比べれば)

 ところが、そういった試みに反してMicrosoftのアップデート思想はいまだに高機能大容量のデスクトップパソコン/サーバーがベースとなっているようです。

Windows 10は、これまでのWindows OSのようなサービスパック更新型のシステムと違って、定期的にシステムパッケージのアップデートをしています。
通常のマイナーアップデートは、機能修正や些細な追加がメインのためデータサイズは通常のパッチより少し多いくらいです。
このあたりは以前のWindows OSと同じです。

しかし今回、Windows 10では何度か大きめのメジャーアップデート(むしろアップグレード?)が入っています。
これは従来のWindowsで言うところの「サービスパック適用」相当か、その一歩手前程度のものが実行されることとなります。
これ自体は標準機能による更新のため、取り立ててどうということはありません。

しかし問題は、その更新に必要な空き容量です。
このアップデートを保存するだけで数GB、それをインストールするとさらに数GB必要になるのです。
(自身のモバイルPCではダウンロードで5GB、インストール込みで10数GBと表示されました。)

これは、システム用のデータ領域容量が平均的に32GB~64GB程度しかないモバイル系端末、特に安い(=スペック控えめの)端末では、アップデート出来ないか、できても記憶容量の殆どを食いつぶしてしまいます。
そのためか、モバイル系でWindows 10プリインストールのもの、アップグレードテロで強制的にWindows 10に「させられた」端末などで、Windows Updateが失敗するか、成功後に動作不安定になるものが徐々に出つつあるようです。


 これに対応する方法は、「純粋なモバイル系端末だと」正直ありません。
もともとの記憶容量が少ないところに、さらに容量を食うWindows 10を入れたわけですから当然の結果とも言えます。

一応、ラップトップ型タブレット兼用モバイル(MicrosoftのSurfaceみたいなの)であれば、一応抜け道のような更新手段は用意されています。

その方法は、「USB接続の外付けHDD/SSDや大容量SDカード等(少なくとも32GB以上)を接続する」というものです。
これは強制アップグレードテロの時にも少し話題になったものですが、Windows 10ではクリーンインストールだけでなくメジャーアップデートでも、外付けの記憶ドライブに更新データの大半を占めるアップグレード元のデータとシステム復元用データを書き込む形で更新することができます。
外付けが必要なのはアップデート時とシステム復元時(トラブルが起きた場合に限り)だけのようなので、その間だけ接続しておけばOKのようです。
当然ながら、システム領域にアップグレードデータを書き込めるだけの容量(数GB程度)すら残っていない場合は更新不可能なので、その点はご注意を。

ただ外付けの記憶ドライブは、大量生産で価格はだいぶん下がったとはいえそれほどお安くはありません。
もしパソコンやタブレット等のデータバックアップ用に所有しているならそれを流用したほうがよく、このためだけに購入するのは考えものです。
SDカードならそれよりは安くて済むことも多いですが、microSDカードの場合、端末内蔵のカードリーダードライバーがそれに対応しているかが問題になります。

ちなみにアップグレードに失敗すると、設定>更新とセキュリティ>Windows Updateのところにこの外付け機器を使った更新に関するTIPSリンクが出るようになっています。(ほとんど気づかれないと思われますが)


 もし安定したアップデート環境を構築したいなら、システムディスクに保存されたデータを大量リストラするか、システムディスク自体を大容量化するしかありません。

もし大量のアプリなどをインストールしていたり、色々なところから拾ってきたデータ(特に音声や動画など)が溜まっていたりする場合は、削除したりバックアップ用のディスクに移動させたりすることで容量を空けるのが早道です。
また長期間使用している端末なら、システムのクリーンアップ(各ドライブのプロパティダイアログから起動可能)を使うことで、若干容量を空けることができます。
もしWindows 8.1以前のOSからアップグレードし、二度とそちらに戻す気がないなら、その機能を利用して古いOSに復元するためのバックアップデータを削除してしまうことで、大量の空き容量を得ることができます。

システムディスクの大容量化については、システム領域サイズの拡張、システムディスク自体の換装、などが挙げられます。

すでに大容量で「システム」と「データ」の2つ以上の領域に分割して使用しているなら、データ領域を減らしてシステム領域を増やすことで、対処できることがあります。(データ領域の保存状態によってはデータ消滅などの可能性もあり)
デスクトップパソコン(ただしタワー型など拡張の余地がある場合)なら、システムをインストールするHDD/SSDなどの内蔵記憶メディアを大容量のものに交換することでも対応は可能です。

しかしいずれの場合も、メーカー製の端末ではそういった操作や換装などを保証しておらず、実際にやってしまうと無償修理などのメーカー保証が切れてしまうことがほとんどです。
その結果、インストールディスクやリカバリーディスクを新規に準備しないとならず、OSに不具合が発生しても自己責任で対応しないといけません。
また中途半端な知識でやろうとすると、誤った操作や接続方法などによってOSそのものが起動できなくなる状態に陥る可能性も否定できません。
結果として、そういった知識のない人間が行うと、マシンを文鎮化orインテリア化させてしまうことになるでしょう。

 ローエンドのラップトップ・タブレット端末に至っては、そもそもデータインストールする余地すらなく、仮に上記の方法などで更新出来ても動作が不安定になる可能性は否定できません。
メジャーアップデートのたびにインストールメディアを作成してWindows 10をクリーンインストールする、という荒業もあるようですが、端末によってはリカバリ領域が消されてしまい自己責任でメンテナンスしないとならなくなる可能性もあります。
そもそもメーカー側でもそういった端末は「定期的に買い換えてもらう」のが前提なので、たとえそういった事態が起きても「だったら後継機のこれに買い換えるのはどうでしょう(にっこり)」と言われるだけで終わるでしょう。


 やはりWindows OSは、ミドルエンド以上のデスクトップ、ラップトップ(タブレット兼用型含む)以外では「まともに動かせない、動かせても保守しにくい」システムと言えそうです。

Windowsタブレットが欲しい、という方もいるかもしれませんが、いずれ端末買い替えが必須となるであろうWindows 10搭載モデルは正直言って避けたほうが良いでしょう。
中古のWindows 7、新品なら市場にまだあるであろうWindows 8.1搭載モデルの、可能なら32ビット版OSのものを探すのが賢明です。
(32ビット版は64ビット版よりも処理能力がやや落ちますが、そのぶん必須となるメモリーやシステムディスク容量が少なくて済みます)

もしそれでもWindows 10で、という奇特な人は、粗製濫造Android端末のような心も懐も傷まない「ショッパイポンコツマシン」を、定期的に買っては捨て、買っては捨て、で運用することをおすすめします。


 トラブルを回避する、という点ではページの趣旨には合うのですが、メーカーオフシャルとしては推奨されないようなので悩ましかったネタが一つ。

Windows 8.1以前で出来ていたWindows/Microsoft Updateパッチの除外指定ですが、一応Windows 10でもできます。(適用遅延でなく、完全な適用除外)
ただしWindowsの標準機能ではなく、Windows Updateのトラブルシューティングツールの一つとしての提供となっています。
「Windows Update 除外」で調べれば多くの検索エンジンで関連記事(orサポートページそのもの)が引っかかると思うので、どうしても困っている人は自己責任でどうぞ。

ちなみに、適用除外してもしばらくすると復活してしまいます。
これは除外したアップグレードが復活しているのではなく、アップグレードのアップデート(ややこしい!)が適用される時に新たにアップデート登録されるため、復活したように見えるだけのようです。
一応新たに出てきたアップデートを除外すれば消えてくれますが、アップデートをダウンロードしてしまうと更新データとしてWindows内に残り続けてしまうので注意です。(一応消せますが自己責任です)

2016年9月11日日曜日

日常小ネタ:本当に怖い!?家庭の医薬

 一昔前の利益至上主義に呑まれて市場に氾濫していた医薬品ですが、最近では荒療治とも言える規制によって少し落ち着いた感があります。
しかし、その時の悪影響からか、ちょっと間違った意識が根付いたままなのもまた事実なようです。

<睡眠薬の少ない風邪薬は安全?>

 一昔前は「大量服用すると服毒死できる」と言われたほど睡眠薬が配合されていたと噂される市販の風邪薬ですが、最近のものは微量か、無配合のものがほとんどのようです。
そのため、「睡眠薬が入ってないなら安全でしょ?」と勘違いして服薬し、そのまま日常生活を送ろうとしている人が多いようです。

ところが実際には、服薬すると強烈な眠気や意識障害を起こすケースも少なくありません。
睡眠導入剤の影響は比較的薄くなっているにもかかわらず、です。

その要因のひとつと思われるのが、咳止めや鼻づまりを抑える成分です。

この成分は、患部に直接投与すればその部分にのみ強い作用が期待できます。
しかし風邪の症状は喉や気管の奥深くにあるため、薬剤の多くは内服して内側から患部に作用させる、というタイプが多いです。
もちろんそれが患部以外に影響しなければ問題ないのですが、内服する限り、その影響は全身に及ぶ可能性は否定できません。
これが神経に及べば体の働きが若干ながら鈍りますし、患部の過剰な反応を鎮める(主に交感神経の働きを抑える)効果が効き過ぎると、眠りにおちる直前のような倦怠感に襲われます。

最も厄介なのは、「通常は効き目があっても表に出ない」「体調の変化によって突如劇的に効果が出る」ということです。
ちょっと違うかもしれませんが、症例としては「薬剤性ナルコレプシー」とでも言うべきものかもしれません。
医薬品の箱書きにもありますが、服薬した場合は安静にすることが肝心です。
もちろん市販薬より効能の強い処方箋は劇的に効果を及ぼし、日常生活程度でもごく軽度の意識低下や運動機能低下、無理をすると意識の混濁や瞬間的な消失などが起きるようなので厳重注意したほうが良いでしょう。

<点鼻薬で症状が悪化?!>

 鼻づまりでひどい時に手軽に使える噴霧式の点鼻薬ですが、過度に使用し過ぎると逆に症状を悪化させる可能性があるようです。

通常、鼻腔を広げる点鼻薬は「鼻づまりがひどくて鼻呼吸ができない」場合に使用します。
花粉症などのアレルギー反応で塞がった箇所を鎮めて炎症を軽減する、というのが主な使い方ですが、この効能は正常な鼻腔でも作用します。

この効果が正常な鼻腔で起こると、鼻腔が過度に広がります。
こうなると、湿度を調整する機能が失われ、気管支などの炎症がひどくなったり、乾燥状態を好む細菌の増殖が進んだりしてしまいます。
その結果、最悪風邪の症状が悪化する恐れが高くなります。

特に体の働きが落ちる夜間に使用する場合は十分な注意が必要です。
もしどうしても使用する場合は、使用する量を抑えたほうが良いでしょう。