2016年9月11日日曜日

日常小ネタ:本当に怖い!?家庭の医薬

 一昔前の利益至上主義に呑まれて市場に氾濫していた医薬品ですが、最近では荒療治とも言える規制によって少し落ち着いた感があります。
しかし、その時の悪影響からか、ちょっと間違った意識が根付いたままなのもまた事実なようです。

<睡眠薬の少ない風邪薬は安全?>

 一昔前は「大量服用すると服毒死できる」と言われたほど睡眠薬が配合されていたと噂される市販の風邪薬ですが、最近のものは微量か、無配合のものがほとんどのようです。
そのため、「睡眠薬が入ってないなら安全でしょ?」と勘違いして服薬し、そのまま日常生活を送ろうとしている人が多いようです。

ところが実際には、服薬すると強烈な眠気や意識障害を起こすケースも少なくありません。
睡眠導入剤の影響は比較的薄くなっているにもかかわらず、です。

その要因のひとつと思われるのが、咳止めや鼻づまりを抑える成分です。

この成分は、患部に直接投与すればその部分にのみ強い作用が期待できます。
しかし風邪の症状は喉や気管の奥深くにあるため、薬剤の多くは内服して内側から患部に作用させる、というタイプが多いです。
もちろんそれが患部以外に影響しなければ問題ないのですが、内服する限り、その影響は全身に及ぶ可能性は否定できません。
これが神経に及べば体の働きが若干ながら鈍りますし、患部の過剰な反応を鎮める(主に交感神経の働きを抑える)効果が効き過ぎると、眠りにおちる直前のような倦怠感に襲われます。

最も厄介なのは、「通常は効き目があっても表に出ない」「体調の変化によって突如劇的に効果が出る」ということです。
ちょっと違うかもしれませんが、症例としては「薬剤性ナルコレプシー」とでも言うべきものかもしれません。
医薬品の箱書きにもありますが、服薬した場合は安静にすることが肝心です。
もちろん市販薬より効能の強い処方箋は劇的に効果を及ぼし、日常生活程度でもごく軽度の意識低下や運動機能低下、無理をすると意識の混濁や瞬間的な消失などが起きるようなので厳重注意したほうが良いでしょう。

<点鼻薬で症状が悪化?!>

 鼻づまりでひどい時に手軽に使える噴霧式の点鼻薬ですが、過度に使用し過ぎると逆に症状を悪化させる可能性があるようです。

通常、鼻腔を広げる点鼻薬は「鼻づまりがひどくて鼻呼吸ができない」場合に使用します。
花粉症などのアレルギー反応で塞がった箇所を鎮めて炎症を軽減する、というのが主な使い方ですが、この効能は正常な鼻腔でも作用します。

この効果が正常な鼻腔で起こると、鼻腔が過度に広がります。
こうなると、湿度を調整する機能が失われ、気管支などの炎症がひどくなったり、乾燥状態を好む細菌の増殖が進んだりしてしまいます。
その結果、最悪風邪の症状が悪化する恐れが高くなります。

特に体の働きが落ちる夜間に使用する場合は十分な注意が必要です。
もしどうしても使用する場合は、使用する量を抑えたほうが良いでしょう。

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