2014年9月16日火曜日

ゲームなど小ネタ:自然に見える(?)口パク

<前置き>

 以下の内容は自身の感覚でうまくいっているように感じたやり方、というものになります。
なので、実際にやって感覚にあわなくても「うまくいかねぇぞゴルァ」とかと怒らないでくださいね。


<はじめに>

 Project DIVA シリーズにある PV エディット機能や MMD などの 3D モデルモーションソフトなどで「歌にあわせたクチのモーション」、いわゆる口パク設定・リップシンクをさせようとしたとき、通常は単に「あ・い・う・え・お・ん」という動きを割り付けます。

しかし、適切なモーション割り当てをしたはずなのに実際に再生してみると微妙に見えることがあります。

これは、実際に発音するときには「発音前・最中の形状変化」や「基本音と異なる形」などの細かい差分動作が多いためです。
これを現実の感覚に近い3次元(2.5次元)モデルできれいなモーションパーツを割り当ててしまうと、アニメなどで実装するときと比べて違和感が際立つ、ということになります。
これは実際に鏡の前でチェックしたほうがわかりやすいかもしれません。

こういったところも、継ぎ接ぎ感の強くなりがちなボーカロイド音声を滑らかにしようとパラメータ調整する「調教・調声」と似ているかもしれません。

なお、以下の設定例には Project DIVA F の PV エディット機能を使用していますので、他のゲームソフトやモーションツールではその機能にあわせてモーション補間設定を入れてください。
もしかするともっと効率のよいやり方もあるかもしれません。


<補間口パク>
 一部の音については、発音前もしくは発音の冒頭に「実際の母音と異なる口の状態」をしたあと、本来の音の口になります。
補間口パクの入れ方は至って簡単です。
  1. 音の段(あいうえお)に合った口パクを設定
  2. 該当する口パクの1フレーム以上一瞬手前の位置に「補間口パク」を挿入
  3. 「補間口パク」とそれに続く口パクのモーション補間を「なし」に設定
ポイントは、補間動作が発生していることを際立たせるために、あえてモーション補間をしないことです。
もちろん滑らかさを際立たせたければモーション補間を生かしたほうが良いと思います。
しかし、Project DIVA では0.1秒以上の補間を短時間に連続させると最後のモーションしか再生されなくなる場合が多くなります。
これを PV エディットでやるのはかなり難しいので(特に PSP 版)、気軽に作りたいなら補間なしにしておくと良いでしょう。


・補間口パクの入る音

1.「ば」「ぱ」「ま」行
 これらの行の音は、母音発声前に一瞬「閉じた口」になります。
これらは、「補間口パク」=「口閉じ」or「ん」 を、発音の直前に入れます。

ただし、直前の音が「ん」の場合は設定の必要がありません。

2.「や」行
 この行の音は、母音発声の冒頭が「い」の口から始まります。
この行は、「補間口パク」=「い」 で、発音開始と同じフレームに配置します。
本来の音に当たる口パクはその少し後にずらします。

ただし、直前の音が「い」の場合は設定の必要がありません。

3.「わ」行
 この行の音は、母音発声前の口が「う」になります。
この行は、「補間口パク」=「う」 にし、「や」行と同じように設定します。

ただし、直前の音が「う」の場合は設定の必要がありません。

4.「あ」の段の連呼
 「あ」の段の異なる音を「しっかり区切って」発音させる場合、次の音を発生する前に口が半開き程度まで閉じます。
テンポにもよりますが、連呼間隔が長ければ3分の1程度、短ければ3分の2程度の開き方になります。
ただし、同じ音を連呼する場合は設定の必要がないので注意してください。

この場合は、「補間口パク」=「え」 を、発音の直前に入れます。
もしより大きく口を閉じているように見せたいなら、「え」の代わりに「お」を入れてもいいかもしれません。

なお、他の段の音は「あ」ほどの極端な動きにならないので、特に気にしなくてよいです。


<基本音と異なる形>

 外国語などでは一般的ですが、実際に発声される音と、その発音をかな表記したときの文字が異なるものが多々あります。
これはその言語特有の発声方式と日本語のミスマッチによるもので、こういった発音をかな表記に変換して割り当ててしまうと、かなり違和感のあるものになってしまいます。
とはいえ、日本人的イントネーションであれば「かな棒読み」で通用するので、そういった楽曲であれば気にする必要はないかもしれません。

ただ、最近のライブラリには英語対応などのものも増えていますので、そういったものを使用した楽曲だと気にしたほうがいいかもしれません。
なお、自身はあまりそういったところに詳しくないので、ネイティブ発音に詳しい人や wikipedia の記述などといったものをあたってください。

 ちなみに、日本語でも該当する音としては、以下のものがあります。


・ 口の閉じない「ん」

 「ん」の後に口閉じの発生しない子音が続くとき、滑らかに発音しようとすると口が完全に閉じない状態で発声します。
この音に「口閉じ」や「ん」をそのまま割り当ててしまうと、やや違和感が残ることもあります。

こういった場合、「え」などの「半開き」に近い口パクを代わりに割り当てるとやや自然になります。
もしこだわるなら、”補間モーションありの「口閉じ」”に置き換えて半開き状態になったところで次の口パクに切り替える、という手もあります。

なお、スローテンポの曲の場合や直前の音が口閉じする子音の場合はしっかり口を閉じるので、こういった設定は必要ありません。

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