2014年9月20日土曜日

日常小ネタ:「豆苗」がうまく育つかもしれない方法

<はじめに>
 最近は節約(というかケチケチ)ブームに乗って葉物野菜の根や根菜類の頭を土に埋めたり水につけたりして生育させ、再収穫をする、という流れがあります。
もちろん本格的に育てたものには及びませんが、それでもおかず1品分の食材費が浮かせられるので悪くはありません。

 その中でも「豆苗」というものは、水につけておくだけで最低1回、うまくすれば2、3回は伸びた茎が再収穫でき、しかも比較的安価というありがたい食材です。
しかし育て方を間違えてしまうと、一度も再収穫できずに株が弱って枯れたり腐ったりしてしまうこともあります。

 あくまで経験則なので正しいかはわかりませんが、うまく育てられた際に気をつけていた点をまとめてみました。


<メインの茎を切りすぎない>

 よく最初のカットで茎のかなり下から切る方がいるようですが、それをしてしまうと枝葉が出てくるはずだった部分も刈り取ってしまい、結果として再収穫できる茎の本数が減ったり可食部が小さくなったりと残念な結果になりがちです。

購入してきて最初にカットするときは、できるだけ一番下にある葉っぱの出た枝を残すようにしましょう。
こうすることで、この残した枝葉の下の方に1、2本の新規の枝芽が伸びてきて食べられる新しい茎に成長します。
株に余力があれば残した枝葉の間から新しい枝芽が出てくることもあります。


<できるだけ株より広く、深い容器に入れる>

 標準的な市販の豆苗パックの場合、大体は1丁より少し大きめの豆腐のトレイにすっぽり収まるサイズになっています。
しかしこれだとあまりにもぎりぎりになりすぎてしまい、根っこが十分水に浸らなかったり、下に伸びられなくなって上のほうにはみ出してしまうこともあります。
さらには根っこが重力に負けてつぶれ、腐りやすくなってしまうこともあります。

なるべく一回りくらい広く深い容器に入れて育てるようにしましょう。
また同時に、容器に水切り三角コーナー用のネットなどをかぶせ、根っこと底の間に隙間ができるよう工夫するのもポイントです。


<水はこまめに取り替える>

 水を替えずに長時間置いておくと、株や水などから「なんともいえないいやな臭い」が漂うようになる事があります。
わからない臭いを放つものを口にするのは気が進まない、というのもありますが、冬場以外はこれに羽虫などがたかってさらに環境を悪化させてしまいます。

夏場は最低1日ごとに、冬場でも2日に1回程度は水を替えたほうが良いです。
またこのとき、できるなら汲み置きなどをしてカルキ抜きをしておいたほうがよいでしょう。
臭いの元が実はカルキだった、なんてことがないとも言えませんので。


<折れたり枯れたりした茎や葉はできるだけ取る>

 先のほうの茎や葉が枯れてきた場合、なるべく取ってしまったほうが良いです。
通常は伸びる役目を終えたと判断して枯れてしまう事が多いのですが、場合によっては雑菌などが繁殖して腐らせられていることも考えられます。
特に「枯れ色で水気が多い」場合だとその可能性が高いので、早めに取ってしまいましょう。

このとき、ごく近いところに枝葉がある場合はその部分ごと取ってしまうことをお勧めします。
たとえ今元気でも、いずれは枯死する部分がそこまで及んで枝葉全体も枯れてしまいます。


<なるべく乾燥させない>

 豆苗は「呼吸」の量が多いらしく、たとえ根っこを水に浸していても水分が少ない環境に置くとあっという間に表面がぱさぱさになってしまいます。
特に冬場は乾燥しやすいところもあると思うので、異常な乾燥状態にならないよう加湿器などを使って空気に適度な水分が含まれた状態にしましょう。

ただしあまりにも湿度が高いと、今度はそれが「カビ」の原因になるので程ほどが肝心です。


<光を当てすぎない>

 植物は光を当てれば大きく成長する、というのは常識ですが、水だけで育てる場合は必ずしもそうとは限りません。
マメ科の植物の根には「根粒菌」というのがいて、窒素を取り込んで栄養に変えてくれるらしいです。
しかし、水の中にはほとんど窒素がないために十分な栄養が作れず、結果として種の栄養を使いつぶして寿命を迎えてしまうようです。

かといって光をまったく当てないと、今度は茎がいつまでたっても十分に大きくならず食べられるようになりません。
1回限りで大きくして食べたい人は蛍光灯なども使って長く光に当て、2回くらい食べたい人は昼に窓際において夜は暗い所に置く、などの光量の調整が重要なようです。


<最後に>

 しばらくすると、どれだけ丁寧に育てても枝が伸びなくなってやがてしおれてしまう、という状態になります。
そうなった株は「寿命」を迎えていて、たとえ園芸用の液体肥料を与えても回復することはほとんどないでしょう。
それまでの収穫に感謝しつつ、新しい豆苗を購入しましょう。

 ちなみに液体肥料についてですが、できるだけ、リン酸より窒素のほうが多いものが良いかもしれません。
というのも前述のとおり成長に重要な要素は「窒素」なため、窒素が少ないものだと効果が薄れる恐れがあるからです。


以下、おまけ的何か。。。

 最近のパッケージを良く見てみると「環境によってはうまく育たないことがあります」という但し書きが添えられたものがあります。
どうやらうまく育てられなかった方々か、あるいは消費者保護を行うおえらい様あたりが忠言したのではないか、なんて邪推してみるわけなんですけど。。。

 わりと勘違いされている方も多いかもしれませんが、水だけで店頭で目にするくらいの高さまで成長させるのはまずムリですし、たとえ成功しても1回こっきりで栄養を使い果たして枯れてしまうでしょう。
あれは水耕栽培などによって十分な栄養分を与えながら栽培されたものなので、「水育ち」とはワケが違います。
それを求めて「育たない!」とおっしゃっているのであれば、考えを改めたほうが良いかと思います。

 このあたり、農家の方や家庭菜園などをされていらっしゃる方などは実感として理解できると思うのですが。

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