2014年9月20日土曜日

PC小ネタ:パソコンが壊れた、と騒ぐ前のチェックポイント

 パソコンは白物家電などと比較すると、非常に繊細なバランスで成り立っている機器です。
白物家電なら少しくらいの不調でもそれなりに動きますが、パソコンだとひとつの不調を引き金にしてあっという間に起動不能になってしまう場合もあります。
しかもその引き金が、家電では特に気にもならないささいなものだということも少なくありません。

 ここでは、パソコンを使う際にできればチェックしておきたい点をまとめてみます。


・ ケーブルのすっぽ抜け

 パソコントラブルで多いのが、ケーブルが何らかの理由で抜けて給電が停止し、そのショックで内部部品やソフトウェアが「破損」してしまう、というものです。

パソコンでは電源ユニットを色々な国で使いまわせるようにするため、簡単にケーブルが取り外せる仕組みになっています。
そのため、コンセント側だけをチェックしておけばよい白物家電などと違い、パソコン本体やアダプターユニットに挿す側のプラグについてもチェックしておかないといけません。
一般的な家電だと本体と一体化していて「外れるはずがない」と思い込みやすいので、比較的そちら側の抜けチェックが甘くなりがちです。

また、パソコンプラグの多くは「本体のソケットがプラグを咥え込む」構造になっているため、目視で確認しても抜けているかどうかを判断できません。
必ず触って外れかけていないか確認しましょう。

なお、パソコンのサポートコールで「ケーブルが抜けかけていませんか?」と尋ねられた場合、コンセント側だけでなく本体に近い方のプラグがしっかり挿されているかも確認してください。


・ 本体やACアダプターの熱暴走による強制停止

 起動中に突然パソコンの電源が落ち、再度つけてもすぐに電源が落ちる、ということを繰り返すことがあります。

 こういった場合はまず本体の後ろ側(スイッチなどがある側の反対側)にある、ファンなどがついた開口部に手をかざしてみましょう。
もし非常に熱い場合、内部にホコリなどが詰まるなどして大きく加熱した結果、保安装置が働いて本体動作を停止させた可能性があります。
またあまりないとは思いますが、「パソコン本体を壁にピッタリくっつける」「パソコンの周囲に物をごちゃごちゃ置く」というのも同じような状況を誘発しやすい悪い使い方になります。

そうなった場合、専門業者などに点検修理を依頼して確認してもらいましょう。
もちろん知識がある人であれば、内部を開けて点検しても良いでしょう。
もしホコリがついているようなら、徹底的に除去してやる必要があります。

また、普段から吸気口や排気口などの「パソコン内部が見える開口部」を確認し、ホコリなどがついているようなら取り除きましょう。
長い間ホコリをつけたままにしていると、内部に空気が入っていかないだけでなくホコリが吸い込まれて蓄積する原因にもなります。
もし予算があれば、定期的に専門業者に点検してもらうのがベターです。

 意外と気づきにくいのですが、ACアダプターも熱暴走します

以前にリコール等の話題となったので知っている方は知っていると思いますが、ACアダプターの温度が一定以上に加熱すると電気供給を遮断してしまいます。
この場合、本体側に何も異常がないのに電源が切られてしまうことになるため、結果として本体側の破損につながってしまうことがあります。

この状況を解決するには、何と言ってもACアダプターを通気性の良い場所に置くことです。

通気性が良い、ということは熱がこもりにくいということなので、熱暴走が起きにくくなります。
クーラーなどの冷房機器がある場合は、なるべく冷気をあてて冷やすようにしましょう。
ただし、湿度が高い状態で冷やし過ぎると、本体の内部で結露して回路がショートしてしまう可能性が出てくるのでほどほどを心がけましょう。

まれに布団などに持ち込んで使用しているユーザーも居るようですが、これはACアダプターを異常加熱させやすい悪い使い方になります。
良くてACアダプターの破損、最悪発火の危険があるので、熱のこもりやすいところに置く使い方はしないようにしましょう。

もし安全と思う使い方をしていても異常に過熱する場合、製品自体に問題があったり、経年劣化で異常動作をする状態になっていたりする可能性があるので、製造メーカーの情報を調べたほうが良いかもしれません。
 なお、強制停止は1回や2回くらいでは大きな故障につながることはありませんが、何度も繰り返していると別の箇所の破損につながって再起不能になる恐れが高いです。
一般的にパソコンパーツの破損は交換対応ですので、データを保存する機器が故障してしまうと写真や文書などのデータはすべて露と消えてしまいます。


・ 悪質プログラムによる遠隔操作や情報抜き取り

 最近やっと日本の一般ニュースでも話題になり始めましたが、メール確認やネットサーフィンなどといった「外部のデータを取り込む」様な操作をした際に奇妙な処理が行われるようになることがあります。

 例えば、自分の名義で不審な情報発信が行われる、パソコンのデータが勝手に伝送される、自分しか知らない情報が他人にも伝わっていたりする、などです。
もしこういった状況が頻発するようになった場合は、悪質プログラムの侵入を疑ったほうが良いでしょう。
そういった障害を専門に扱う業者さんもいますので、財産や権利を掠め取られる大事につながる前に専門家に問い合わせるのが賢明です。

ちなみに、多くのパソコンシステムは基本システムソフトの上にさまざまな便利ソフトを追加して動かす「のっけ盛り構造」になっています。
当然ながら「隙間」だらけになってしまうため、こういった隙間を狙う悪質プログラムが侵入する可能性は非常に高くなっています。
従って、どれだけ注意していてもたったのマウス1クリック、キーボード1叩き、タッチスクリーン1タッチだけで簡単にやられてしまいます。

とはいっても、侵入を気取られるような「稚拙な」ものは非常に少なく、現実世界に影響を及ぼす「最悪な事態」になるまで気づかない事がほとんどです。

 また、最近流行のスマートフォンやタブレットのアプリケーションは単純な操作でインストールできてしまうため、あっという間に不正なプログラムに侵入されてしまいます。
ただ、インストール画面には馬鹿正直に実行される不正な操作がリストアップされているので、インストール前に確認すればある程度自衛できます。

ユーザーデータの一部やそのバックアップをサーバー上に保管するようになっています。
そのため、例え自身の端末で万全な対策をしていても、サーバー側に障害が起きてしまうと同様の問題が発生することもあります。


・ メーカー提供ソフトウェアの不具合

 残念ながら、悪質プログラムだけでなくメーカーが提供するソフトウェアでも障害の要因になるものがあります。
これにはプログラム動作の検証不足やオペレーティングシステム更新に伴う相性異常、あるいは同時使用しているソフトウェア同士の干渉など、多岐に渡ります。

メーカー製パソコンにはじめからついていたソフトウェアならばパソコンメーカーの、店で購入したものならばそのソフトウェアを製造したメーカーのサポート情報を確認しましょう。
パソコンやケータイから簡単にインターネット接続できる方法が告知されているはずなので、それに従って情報ページを調べれば対処法や修正プログラムが提供されているはずです。
もし目当てのものがなくても問い合わせする方法も案内されているはずなので、できる限り丁寧に真摯に状況を伝えましょう。

もしそこで対応が杜撰すぎると感じたメーカーについては、たとえ愛着があっても「切り捨てる」覚悟が必要でしょう。

 これは余談ですが、メーカー製PCには目玉機能としてマルチメディア系アプリがプリインストールされていることがあります。
テレビ視聴機能や高性能動画再生(Bluray再生やハイデフィニション動画ストリーミングなど)といったものがそれにあたります。

PCライフを豊かにするそれらのアプリとそれを実現する内蔵チップ類は、劣化すると逆にPCの寿命を極端に短くする「劇毒」になります。
もし、突然PCの挙動が不安定になっていて、かつシステムメンテナンスやウィルススキャンで問題が見られない場合、それらのアプリとそれに関連するデータをアンインストールしてみてください。
もし機器の劣化などで不具合が起きていた場合、それらを使用するアプリを失くすことで動作が幾分か安定することもあります。


以下、おまけ

 正直言って、パソコンというのは非常に「デリケート」な代物です。
ハードそのものはもちろん、中に搭載されたオペレーティングシステム(OS)に代表されるソフトウェアプログラム群もこまめなメンテナンスが必要です。

比較対象として適切かはわかりませんが、自家用車や医療品などのような「不具合が命に直結する」ものに次ぐくらいの気配りが必要じゃないかとも思います。

 言いすぎですかね。。。?

 ところで今この記事を書いているパソコンなんですが、もともと「ジャンク」なパソコンです。
確かに純正品は一部欠けている、基本システムソフトが2世代前(Windows Vista)、あげく、画面解像度はいまどき1280x800の低解像度ワイド、と普通の人なら文句を言うところでしょう。
が、行っていた仕事場がついン年前まで15インチモニタで Windows 7 を映すというわりと悲惨なところだったので、まぁそこまでの偏見はなかったわけで。

 で、最初に実際に動かしてみたとき。
かなりすごい勢いでパソコンが強制終了しました。

季節が真夏で、かつクーラーがない部屋で動かしていたので、もしかして空冷が足りないのかな? と軽く思っていたんですが、排熱口を調べると激熱状態でした(文字通り)。

ふたを開けてみるとこれがひどいのなんの。
穴という穴がすべてホコリで詰まり、隙間をふさぐためのシールも一部はがれてホコリが入り込み、のりでべたべたになっている、という近年まれに見る最悪な製品状態になっていました。
先に同じ熱暴走で壊してしまった自身のパソコンの掃除し忘れ度合いなど相当かわいいくらいに^ー^;

むしろこれで壊れるところまで行かなかったのが奇跡に近いくらいです。
まぁジャンクでそこそこの値段したわけなので、動くことだけは保証済みだったんでしょうけど。

もちろん、吸排気口すべてとヒートシンクについて丁寧にホコリを取り除いたうえ、排熱力不足の対応のために外付けクーリングファンを無理矢理増設しました。
ちょっと音がうるさいのが難点ですが、音楽や画像などのパワーが必要なデータを扱っても割と大丈夫になりました。

ただし、テレビ視聴機能についてはパーツ劣化のせいか視聴開始から5分以内に必ずシステムダウンしてしまうので、泣く泣くアンインストールすることになりました。

しかしつくづく、メンテナンスって重要だなぁと思わせられる事案でした。

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