2014年12月4日木曜日

日常小ネタ:お米を炊くときの「吸水」

 通常、お米を炊く前には「吸水」といって生米に水を吸わせる工程を行います。
この工程を行うことによって、お米はふっくらしたやわらかい「ご飯」に炊き上がるわけです。

しかし、一般的な「一定時間水につける」という方法を行うと、ちゃんとした吸水方法や時間でも炊き上がりがべたべたになったり食べてみると甘みが少なく水っぽかったりと、ちょっと悲しい結果になることがあります。
特にいいお米や炊飯器を使っていた場合は、よりショックが大きいでしょう。

 この吸水工程、一般的には「吸水=水につけ込む」と思い込みがちですが、少なくとも米については一概にそうとも言い切れません。

 実は、米を研いだ後に「ざるにあげて置いておく」という方法でも、意外と吸水が完了してちゃんと白く膨らんだ状態にできてしまうのです。
しかも吸水が終わった頃合の米はお餅や米菓子のような「甘い香り」がしてこれだけでも食欲をそそられる感じになります。
この米を炊き上げれば、「ふっくらもちもちとして噛むとほんのり甘みの広がるご飯」が出来上がります。

ちなみにこの米を炊飯器などで炊く場合、目盛りよりも少ない膨らんだ米と同量程度の水があれば十分なようです。
もちろん雑穀などを混ぜる場合はそれに応じた水量調整が必要となります。

これは、精米技術の進歩によって上質な白米に仕上がるようになったため、水分を吸いにくい玄米や雑穀などを炊く昔ながらの吸水方式だと水を吸いすぎてしまうことが要因のひとつなのではないかと思われます。
しかも白米は元々水分が多めのため、水分が抜けた古米でない限りはどうしても水気が多くなってしまいます。
結果として、昔ながらのやり方で白米を炊くとべちゃべちゃのご飯ができやすい、ということになります。

 ちなみにこの方法は、「炊飯しようと米を研いだ後に家族の都合で量を減らさないとならなくなった」など、そのまま炊くとご飯があまってもったいない状況になるケースでも使えるようです。
上の手順で吸水させた米をジッパー付きのポリ袋などに入れて冷蔵庫で保存すれば、半日程度までならおいしく炊き上がる状態を保てるようです。

以下、おまけ的何か。
 実はこの方法、テレビ番組で何人かの和食料理人の方が白米を炊く際にやっていた「洗い米」という手法なのだそうです。
世界遺産に登録された和食文化ですが、米の炊き方ひとつ取っても色々な技があるんですね。

もちろん最近の炊飯ジャーなら、何も考えずに米を研いで炊飯するだけでもかなりおいしくなります。
そこにこの手法を組み合わせればさらにおいしいご飯が食べられる、かもしれません。

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