2014年8月24日日曜日

PC:LANケーブルのツメの意外な折れ方

 LANケーブルのコネクターには、すべて「すっぽ抜け防止用のツメ」がついています。
しかし、いつの間にか折れたり曲がったりすることが多いです。
これが原因でケーブルがすっぽぬけ、「知らないうちにネットワークに繋がらなくなった」というクレームにつながることも。

原因:
 ほとんどは、「ケーブルが短くてコネクターが引っ張られ続けた」「ケーブルに体を引っ掛けるなどして強く引き抜かれた」などです。
これは見た目で原因がわかりやすいので、「これはツメが折れるな」とわかります。
しかし実際には、引き抜ける状況でないのにツメが折れている場合もあります。(この場合、ケーブルを抜くと折れたツメがでてくる)

常識で考えれば「ケーブルが抜ける方向に力を加えなければツメは折れない」となるので、コネクターがささったままツメが折れることは考えにくいです。
折れたパーツをわざわざ差し込む人もそうはいないはずなので、差し込んだ状態で折れている、ということになります。

O コネクターがささったままでツメが折れるのはなぜ?
 実は、ツメは引きはがす方向だけでなく押し込む方向に力をかけても折れます。
こういった折れ方をしたときは断面が反っていないことがほとんどで、引き抜き方向に力がかかったときの断面が反る折れ方と違います。
イメージしにくいと思うのですが、こんな感じです。

この折れ方をする要因は、おもにケーブルの取り回しミスです。

ケーブルを本体の前面または横方向にまわすとき、ツメがある側にケーブルを回すと、ツメを押し込む方向に力がかかってしまうことがあります。
これを長い期間続けるとツメの外側にヒビが入り、コネクターを外すときにちょっと力をかけただけで反対側にもヒビが入って折れてしまう、ということになるのです。
ちなみにコネクターを挿したままで折れるときは、はじめからツメの内側にヒビが入っていた、ケーブルの取り回しを頻繁に変えることで「金属疲労」みたいな状態になっていた、などが考えられます。

回避方法:
 コネクター付近でケーブルを曲げないよう、背後にある程度のスペースを設けるのがベストです。
ツメが本体の上面または下面に向くようなコネクター形状になっているときは、ケーブルの自重でコネクターに負荷がかからないようなるべく細いケーブルを選ぶ、などの工夫もいります。
あとは定期的に点検して、ツメが折れていないかチェックするのも重要です。

<雑談>
 ちなみに、「ケーブルに負荷を掛けつづける」というのは電気器具一般のタブーです。
理由は、ケーブルの部分断線が起きてしまうから。

通信ケーブルでは(通信できなくなるけど)大事故につながることはほぼないですが、電源ケーブルが破断すると最悪、漏電火災が発生します。
被覆が膨らんでいる、異様に折れ曲がっている、などの異状を見つけたら、そのケーブル、あるいはケーブルのつながった製品の使用を中止しましょう。
普通は被覆などで外部への影響が抑えられていますが、このケースでは外部から破断が進行することがほとんどなので、ケーブルに影響が出た時点でほぼアウトです。

よくケーブルを本体に巻きつけて収納している方がいますが、軽く巻く分にはまあOKとしても、強く巻きつけるのはNGです。
特に、ケーブルの根本にある蛇腹部分が折れ曲がるほどの巻き付け方は完全にNGです。

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